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急性膵炎(きゅうせいすいえん) [医療]

急性膵炎は、膵臓(すいぞう)に急激に炎症が起こり激烈な腹痛がおこる病気です。

膵臓は、食べ物を消化・分解するいろいろな酵素を作り、分泌(排出)しています。

急性膵炎とは、本来、食べ物を溶かす働きをする膵液に含まれる消化酵素が 自分の膵臓を消化(溶かして)しまい、膵臓(すいぞう)に炎症が起こる病気です。
軽症から、死に至る重症(重症急性膵炎)まであり、様々なケースがあります。
軽症の場合、膵臓が腫れる(むくむ)だけで、回復が早いもの(浮腫性膵炎)や、
個人によっては、あまり痛みを感じていない場合(無痛性急性膵炎)などもありますが、

症状は個人差があり、痛みの程度と膵炎の重症度とは関係ありません。
重症急性膵炎は、生命に関わることがあるので、
上腹部に強い腹痛や背部痛が突然起こった時には、すぐに消化器科を受診する事が重要です。
早期の適切な診断と治療が必要な病気です。

重症急性膵炎とは膵臓だけではなく
肺、腎臓、肝臓、消化管などの重要臓器にも障害を引き起こす(多臓器不全)や、
膵臓や周囲に出血や壊死を起こす(壊死性膵炎)、
重篤な感染症を合併する致命率の高い急性膵炎を指します。

重症急性膵炎は、10%近くの方が亡くなられる重い病気で、
厚生労働省の特定疾患(難病)に指定されています。

発症してから3日以内は膵臓に炎症が起きていますが、
3日目以降になりますと、膵臓以外の臓器に炎症が広がってしまいます。
このような状態になってから治療を開始してもあまり効果はありませんので、
重症急性膵炎は、発症してから3日以内(48時間以内)がタイムリミットと言われています。

症状
何日かかけて徐々に出てくることもあれば、
突然、痛みが起こることもありますが、食事後(油分の多い食事)や、
アルコールを飲んだ後、急に起こることもあるようです。

急性膵炎で最も多い症状は激しい上腹部痛ですが、
まれに個人差により、急性膵炎でも腹痛を訴えない方もいます。

膵臓(すいぞう)は、胃のちょうど裏側で背中にピッタリと、はりついている為、
上腹部の痛みに加えて、背中の痛みを生じることも多くあります。
その他の症状として嘔吐、発熱、悪寒、食欲不振などもみられています。

痛みは、上を向いて寝ると腫大した膵臓が脊椎に圧迫されて痛みが強くなりますので、 膝を曲げて腹ばいになると膵臓が脊椎に圧迫されなくなり痛みが、和らぐことがあります。 吐いても腹痛はよくなりません。

重症急性膵炎では、意識障害やショック状態などを起こすこともあります。
膵炎で破壊された膵臓に細菌が感染し、重い感染症を起すことがあります(敗血症)。

膵臓の働きには、外分泌とう内分泌がある。

■外分泌は「消化液」である。
・膵液を作り(分泌し)十二指腸に流出する働き。
・トリプシン(タンパク質を分解)
・アミラーゼ(澱粉を分解)
・リバーゼ(脂肪を分解)
※膵炎は外分泌の働き「消化液」に関係する。

■内分泌は膵臓のランゲルハウス島という部分から血糖値を調整し、
インスリンや、グルカゴンなどのホルモンを分泌(排出)する。
・インスリンは血糖値を下げる。
・グルカゴンは血糖値を上げる。
※内分泌は糖尿病に関係する働き。

膵液(すいえき)が流れる膵管と、胆汁(たんじゅう)が流れる胆管とが合流して、
混ざり合い十二指腸へ流れ込む。
十二指腸の中に入ってから、混った胆汁と膵液は初めて活性化し消化する(溶かす)力を発揮する。

ここで何かの原因で、膵液の流れが悪くなると、膵臓の中に膵液がたまってしまい、
そこに膵管を逆流してきた胆汁が混じると、膵液が活性化され
膵臓内で消化(溶かす)力を発揮してしまう。

膵液には「トリプシン(タンパク質を分解する消化酵素)」が含まれているので、
膵臓自体が消化され(自己消化)、膵臓の細胞が溶けて
急激に激しい炎症(痛み)が起こる。…これが急性膵炎。

原因 ①アルコールの過飲(飲みすぎ) ②胆石(たんせき) ③原因不明な特発性
「胆石が原因」
胆嚢(たんのう)から流れ出た胆石が、胆管の十二指腸開口部に詰まって
胆汁や、膵液の流れを止めると、膵液が膵臓の中にたまってしまい、
そこに胆汁が逆流してくると膵液が活性化され、膵臓の組織を自己消化して急性膵炎が起こる。

「アルコールが原因」
アルコールによる発症のしくみは、完全には解明されていない。
膵管と胆管が合流し、十二指腸に開口している部分にアルコールの飲みすぎの影響でむくみが
生じると、膵管が狭くなって膵液の流れが悪くなり、
その結果、「胆石」と同じく膵臓内で自己消化を起し、急性膵炎が起こる。

急性膵炎の治療後:多くは発症前と同じ状態にまで回復して社会復帰することが可能とされます。
しかし、糖尿病や消化吸収障害などの後遺症が出ることがあります。

医療費の補助制度

重症の場合は高度な専門的な診断・治療が必要になるので、
集中治療室(ICU)のある総合病院での特殊な治療が検討されています。
医療費も高額になります。

申請してから承認された後の医療費しか公費負担の対象になりませんので 急いで手続きを行う必要があります。

高額療養費制度(限度額認定証)は、市町村役場に申請後、条件を満たすと、すぐに交付される。
1ヵ月単位で交付している(1日~31日締め)。
つまり、31日に緊急入院した場合その日のうちに申請、交付しなければ
この月の医療費は、戻ってきません。

高額療養費制度
市町村役場に申請を行い、交付された限度額認定証を医療機関に提示すると
所得に応じて決まった「自己負担額」を超える高額な医療費は
後ほど市町村役場から、還付される制度です。
※食費、パジャマ代、ベット代などは医療費に含まれない。(自腹になる)

特定疾患医療費制度
重症急性膵炎はその対象疾患(難病)の一つです。
承認されますと、原則として6か月間の医療保険の自己負担分を、
国と都道府県とで折半して負担します。
※ベット代などの費用については対象外です。

申請後の医療費しか公費負担の対象になりませんので
重症急性膵炎と診断されたら急いで手続きを行う必要があります
特定疾患医療費制度は、市町村役場に申請後、手続き完了まで数か月かかることもあります。

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